こんにちは、株式会社Things 公式note編集部です。
私たちは、バリューチェーンの改革を推進する製品開発プラットフォーム「PRISM」の提供を通して、製造業のデジタルトランスフォーメーションに取り組むスタートアップです。
前回、代表取締役 鈴木のインタビューでは、Thingsが解決に取り組む製造業界の課題などとともに、「一人ひとりがユーザーと向き合う」という社内カルチャーについてお話しました。
今回は、このカルチャーを形成する当事者の一人としてソフトウェアエンジニアの清水 勇喜(しみず ゆうき)が登場。これまでのキャリアや、ユーザーと向き合うスタンスを形成したキャリアと開発哲学、製造業ベンチャーのエンジニアとして挑戦したいことについて聞きました。
清水 勇喜(しみず ゆうき)
freee株式会社にて会計ソフトのグロースハックやコア機能開発を担当。2023年5月に株式会社Things入社。好きな言語はJavaScript。ビルドの高速化とアーキテクチャ改善が好き。
聞き手:森田(エンジニアリングマネージャ)、柘植(コーポレート)
幼少期の「レゴ遊び」が原点。型にはまらず、世の中をよくしたいという想いでキャリアを選択
森田:まずは清水さんがエンジニアを目指すようになった原点について教えてください。
清水:そこから来ますか!そうですね、物心つく前、幼少期から何かを組み立てることがすごく好きだったことにルーツがあると思います。
車がロボットに変形するようなアニメや戦隊系のテレビ番組に登場するロボットや乗り物もすごく好きで、それらのおもちゃを次々と欲しがっていたんですけど、もちろん全部は買ってもらえていませんでした(笑)
元々家にレゴのおもちゃがたくさんあったので、「ほしいおもちゃを買ってもらえないなら自分で作ってしまおう」と、レゴブロックで好きなキャラクターを組み立てて、遊ぶようになりました。そこで出来たものは、きちんと形になった車や、その車から変形するロボットなど、子どもにしてはなかなか本格的なつくりでした。
柘植:すごい!そこから、プログラミングと出会うまでは、どんな感じで過ごしていたんでしょうか。

清水:レゴやプラモデルのように組み立てることが好きなのはずっと変わらず、それにつながるような職種に就きたいと考えたこともあったのですが、中学・高校時代にお世話になった先生の影響で、大学では教育学部に進みました。学生時代は社会のことを何も知らなかったので、家族以外で1番身近な社会人である教師に自然と影響を受けていたんだと思います。
ただ、教育学自体には興味・関心はあったものの、公教育の決められた枠組みの中で教えることには段々と興味が持てなくなっていることに気づきました。僕は自由にやりたいタイプなので、決められた型の中で生きるのが苦しかったんですね。
そんな時、ICT教育を研究している友人が研究室でコードを書いている姿を見て、「自分もやりたい」という直感が芽生えました。そこから、あるエンジニアの方がプログラミングを教えるキャンプを企画して参加者を募集しているのをWebサイトで見つけたのですぐに応募して春休みに参加しました。
そこではWebの仕組みから、PythonとDjangoを使って簡単なWebアプリケーションを作るところまでわかりやすく教えてもらい、「これはすごくおもしろいぞ」と感じて、エンジニアを目指すように方向転換しました。
森田:その時点で、大学3年?
清水:4年生になる直前です。それまでは卒業年度に教員採用試験を受ける前提で動いていたので、民間企業の選考を受けていなかったんです。学んできた分野が全く違う僕がいきなりエンジニアのポジションで応募しても通用しないとわかっていたので、まずはインターンで入って学ぼうと東京の企業を探しました。
運良く採用してもらえた企業では、優秀な先輩方や他のインターン生から多くのことを学び、Reactでフロントエンドのコード改修や、DjangoでWebアプリケーションサーバーの構築を経験しました。
柘植:その後、freee社の内定をもらって、卒業までfreee社でインターンをしていたんですよね。
清水:そうです。社会に出てやりたいことは何かを考えたときに「非効率な業務を効率化して、人間の幸福度を上げたい」と考えるようになったんです。
というのも、僕自身が非効率なことや面倒くさいことがとても嫌いで、学生時代アルバイトをしていた時に、例えば<レジを締めて現金を手で数える>というような「一般的には仕事として浸透しているけれど、それを無くせばもっと早く帰ることができ、より有益なことに時間を使える非効率な業務がたくさんある」と常々感じていたんです。それが1番実現できるのはバックオフィス業務の改善だと思ってその道を選択しました。
新卒でユーザー重視の開発を経験
森田:freee社でRuby on Railsを使うことになって、違和感はありました?インターンといえど実務に近い行動レベルが求められると思うのですが。
清水:インターンではグロースチームに配属され、マーケティング部門やデザイナーの方と連携して、ユーザーへの課金促進を主眼においたUI・UXの改修から価値提供をするための導線改善など幅広く、プロダクトをより良くする改善活動をしていました。
多機能なクラウドソフトのボリューム感には圧倒された一方で「RubyやRuby on Railsは少ないコードで色んな事が実現できるんだな」と比較的早めにキャッチアップできました。
森田:インターン時代で印象深いエピソードとかありますか。
清水:ユーザーのフィードバックを重要視して進めたコア機能のUI/UX刷新プロジェクトです。当時競合他社で似たようなことを先にやったところがあり、せっかくリリースしたものがユーザーからの批判が多いことで改修前に戻すという事例があったんですよね。
それを見て、ユーザーにはドラスティックな変化よりもマイルドな変化の方が受け入れてもらえやすいんだなと。ただ、歴史のあるサービスだとUI/UXの刷新が技術負債解消も兼ねていることも多く、開発効率が上がることもあるため、その事例を聞いたときは心が痛かったです。
我々がどれだけ良いことだと思ってやっても、ユーザーは全く違う視点でプロダクトを見ていることもあるんだなと。

なのでその他社事例を踏まえて、大きめの改修ではリリース前に一部のユーザーに触ってもらってフィードバックをもらったり、一定のユーザーに解放する際にも元の機能の形にユーザー自身で戻せるようにしたりしました。丁寧かつ徐々にリリースしていく対応を心掛けたことで大きな混乱なくプロジェクトを終えることができ、ユーザーの声というものの大切さをあらためて実感しました。
森田:エンジニアが企画段階から積極的に携わるのは、特殊な動きだと思います。その動きをどのように受け止めていたのでしょうか?
清水:初めて配属された部署がそういった形式でやっていたので、逆にそれ以外の環境をあまり知らなかったですね。ただもともと「ユーザーの日常業務に直結する部分を改善したい」という思いがあったので、正社員で入社する際に希望を出して、グロース領域よりももっとコアな機能を開発するチームへ異動しました。
森田:System of EngagementからSystem of Record的な仕事になったんじゃないですか。
清水:まさにそのような感じで開発する内容は全然違いました。経理処理の自動化、会計帳簿の総勘定元帳、債務領域の支払いに関する機能などの開発をするために会計の知識が必要で、より根本的な部分に関わることができました。ユーザーインタビューにもよく同行していたのですが、機能改善要望を頂いたことに対して改善した成果を喜んでいただけるととても嬉しく、自分がやりたかったことはこういうことなんだなと感じましたね。
業界の根源的な課題解決ができる環境を求めてThingsへ
柘植:前職ではかなり高い経験を積まれたと思うんですが、転職を考えたのはなぜでしょうか?
清水:若手が裁量持って働ける良い会社でしたし、プロダクトを開発していて楽しく、大規模データを扱ってチャレンジングなこともできていたと思うのですが、ある程度成長したフェーズから会社を見るよりも、もっと小さなフェーズで、ゼロから会社をつくっていく経験がしたいと考えるようになりました。
柘植:Things以外に見ていた企業はありましたか?
清水:Thingsに出会うまでは、プロダクトが面白いという理由で副業として携わった会社はあっても、「ここで働きたい!」と直感的に思う会社にはなかなか出会えていませんでした。
そんな中、鈴木さんと直接話をして、BtoBで基幹システムを開発してユーザーの業務改善に携われることと、フロントからバックエンドまで個人的に好きだったTypeScriptを採用していることが魅力でした。また最終的には鈴木さんの人柄が決め手になりました。技術、事業内容、フェーズ、人柄の全てにおいて、そのとき求めていたものに完璧にマッチしたんです。
森田:業界にこだわりはあったんですか?
清水:製造業にこだわっていたわけではないのですが、事業ドメインの伸びしろは見ていました。前職で携わっていた会計業界は多くのプレイヤーがいて、他社との競争に勝つために開発する機会も多く、それも正しい判断のひとつではあるのですが、転職するなら根源的な課題解決やイノベーションを起こす可能性がある開発がしたいと。それができるのは、レガシーな業界だと思ったんです。
製造業DXのリアル。現場を知って、腹落ちした課題と向き合いたい
森田:製造業に入って、カルチャーギャップはありました?
清水:前職では、全社的にあらゆる業務でクラウドツールを利用する方針だったので、紙やエクセルを使わないことが自分の中で当たり前化していました。Thingsでは製造業界のお客さまからExcelファイルを受け取ることがあり、その違いに驚くとともに、日本を支えてきたレガシー産業はここから効率化をはじめるんだ、と思いました。
森田:その違いが、よりもっと便利にしていくぞっていう思いにつながりますよね。
柘植:清水さんがThingsに入社した直後、どういったところからドメインの理解をはじめたのでしょう?
清水:僕は「エンジニアはユーザーを理解することで、良いものをつくれる」と考えていて、開発する上でなぜその機能が必要なのか、普段の業務の中でどこにペインがあってどう解決するのか…という根本的な部分に腹落ちしてから開発したいタイプなんです。
なので、自分は製造業のことを知らないので、お客さんのとこに行かせてください、と提案し、オフィス訪問をさせてもらいました。現行システムを使った作業風景や、隣の人の距離感やオフィスの雰囲気…細かい部分から示唆を得られたのはとても面白く、鈴木さん(代表取締役)も知らないことが知れたと言っていたので、提案してよかったと思います。

柘植:アーリーステージのスタートアップで刺激を受けた部分があれば教えてください。
清水:アウトプットのスピードに対する意識が変わりました。前職ではプロダクトの規模が大きくなっていたので、既存のユーザーのことを考えて何事もある程度丁寧に進めていくことが求められていました。Thingsでも同じ感覚でやっていたんですけど、ある機能の実装で丁寧な進め方をしてスケジュール的に厳しいのが見えてきたときに、「ベンチャーなので、粗削りな時も大事ですよね」という指摘をいただいて。
「Done is better than perfect」は、どの業界でも大事だとは思いますが、今のフェーズのThingsでは特に大事だということがわかりました。もちろん、最低限の品質担保は必要ですが、粗削りでも形にすることが必要で、Nice to haveを削げないかを意識した提案をするようになりました。
柘植:面白いですね。コーポレート業務にも共通する部分かもしれません。
「PRISM」を製造業DXの土台へ成長させるために
柘植:製造業のIT利活用における課題について、エンジニアとしてどのような印象を持っていますか?
清水:まず感じたのは、部門間のサイロ化の解消が必要ということです。製造業は部門で分業されているので、システムが連携していなかったり、ローカルでしか動かないシステムを使っていたりすることによる情報の孤立があります。これに関して「PRISM」はクラウドアプリケーションなので、「情報に誰でもアクセスできる土台をつくること」はできると思っています。
一方で、オンプレの旧システムだからできていた高いパフォーマンスもあり、クラウドに移行したことで起きる難しい問題とか、まだ誰も直面してない課題もあると思います。
個人的には階層データと履歴データの扱いが肝だと考えていて、この2つを保守・改修しやすいシステムにすることが必要だと考えています。
森田:今後エンジニアとして挑戦したいことを教えてください。
清水:「PRISM」って、製造業のバリューチェーンにおいて各部門が使える、基幹システムのような立ち位置になっていきたい、というのがあります。今はまだ創業して2年、めまぐるしく仕様や機能が変わってきた中で、それによって犠牲にしてきたものもあると思うんです。
「PRISM」がさまざまな部門で活用していただけるプロダクトとして進化するためには、保守・改修しやすいように整えていくことが大事なので、直近はシステムのリファクタリングや、アーキテクチャの改善に挑戦したいと思ってます。
柘植:開発環境を整えていくということでしょうか。
清水:そうですね。コードを書く際は、構造の中に秩序がないと、実装がぶれる・迷うということにつながるのですが、最初は雑に実装して後から改善していくとリファクタリングの工数がそれなりに必要になってきます。新機能を日々開発していく中でリファクタリング前提のコードを書いていると、保守が追いつかなくなっていくので、最初からクリーンなコードを書けるような土台があることが理想的だと思っています。
現状秩序がないわけではないのですが、「PRISM」が進化していく中で対応しきれていないドメインモデルの整理や、ロジックの組み立て方が初期の頃と比較してマッチしなくなっている部分、自動テストの不足などがあるのでそういった箇所を整えていきたいです。
製造業界の変革に向けて、意思をもって前進できる方と働きたい
柘植:せっかくなので、Thingsの社風で、好きなところがあれば是非聞かせてください(笑)
清水:Thingsは真面目で優しい大人な人が多いですよね。特に開発チームでは、フラットに論理的な議論をする機会が多いです。
コミュニケーションが丁寧に行われる分、僕は若手として、勢いで話すことも大事にしています。例えばあまり腑に落ちていないものの議論が進んでいるときに「これって要りますかね?」と投げかけると、なぜそれが要るかを皆で考えて、共通認識ができていく。問いかけたものが必要だったら自分の学びや疑問の解消になるし、不要だったら新たな気づきを自分が与えられたことになる。そういうのをどんどんやっていきたいな、と思います。意識して「一石投じ太郎」になるというか(笑)
柘植:なるほど面白い!(笑)普段からそのように意識されていたのですね。
今後、組織が拡大した場合でも、大事にしたい文化はありますか?
清水:僕は、ユーザーの行動を効率化して働き方を変えられることを幸福に感じるので、仮に組織が拡大して分業化が進んでも、「エンジニアもユーザーと向き合う、直接話す」という文化は大事にしたいです。全員がそうである必要はないかもしれないけれど、エンジニアって課題を解決する仕事なので、目の前にいる困っている人の課題解決がモチベーションになる人は一定数いると思います。
柘植:最後に、今後どのような人と一緒に働きたいかを教えてください。
清水:どんなフェーズでも一貫するのは、「Thingsがつくるプロダクトで、製造業を変えていくぞ」と思ってくれる人ですね。受け身の姿勢ではなくて、意気込みを持ってそのプロジェクトを進めたりとか、やる意義みたいのをちゃんと感じてくれる人。「自分はこれを解決したいからこれをやるんです」っていう人と一緒に働けたらと思っています。
森田・柘植:ありがとうございました!
新規メンバー募集中
Thingsは製造業の根源的な課題解決に取り組む、スタートアップ企業です。
ユーザーの声と向き合いながら、モノづくりができます。
私たちと一緒に働きませんか!
